第1回 なんでも治せるお医者さん―(『19番目のカルテ』第1話より)

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漫画『19番目のカルテ』を読んで、“ドクターG度”検定クイズに挑戦!
あなたは初級? 中級? 上級?

※本記事は、漫画『19番目のカルテ―徳重晃の問診』のドラマ化(TBS系日曜劇場、毎週日曜21時~)を記念し、2021~2022年に掲載された『総合診療』誌での同作関連の連載より、第1回(2021年4月号、p.491~493)を「1カ月間限定」にて復刻するものです。

※特設サイトでは、『19番目のカルテ』を期間限定にて無料でお読みいただけ、そのエピソードに因んだ「“ドクターG度”検定」に挑戦できます。自動採点され、正解とミニ解説に加え、同作の主人公・徳重晃先生からのコメントも! 結果は、ぜひSNSでシェアしてみてください。

【今月の出題・解説】山中克郎(諏訪中央病院 総合診療科)

まずは漫画の試し読みから!

 特設サイトから『19 番目のカルテ』第1 話「なんでも治せるお医者さん」を読もう! 読んだら、以下の「“ドクターG度”検定」に挑戦しましょう!

Q1 「問診」だけでどの程度、病気の診断が可能でしょうか?

10%
30%
50%
 80%

Q2 「失神」の原因で予後が最も悪いものは?

心原性失神
 起立性低血圧
 神経調節性失神

Q3 次の状況のうち、心原性失神を疑う病歴はどれでしょう?

臥位での失神
 排尿後の失神
 いつも立位の時に失神する
 失神前に嘔気や発汗があった

Q4 心筋梗塞の「危険因子」となりにくいものは何でしょうか?

喫煙
 高血圧
 飲酒
 コレステロール高値

Q5 関連痛として左肩痛を生じる疾患は、心筋梗塞以外に何がありますか?

胆嚢炎
 脾破裂
 急性肝炎
急性虫垂炎

深読み解説

 医師は診断の大きな手がかりを「問診」から得ています。「問診」とは患者さんが語るストーリーを聞き取る行為です。「問診」では次のことに注意しながら聞きます。
主訴:どうして医療機関を受診したのか。
現病歴:いつまでは元気だったのか、今回の症状が起こるまでの時間経過(突然の発症か、数日で起こった急性発症か、1 カ月以上前からの慢性発症か)、主訴以外にどのような症状があるのか。
既往歴:今までに経験した病気。
薬剤歴:薬は何を飲んでいるのか(サプリメントを含めて)。
社会歴:仕事は何か、タバコやアルコールをたしなむのか、誰と一緒に住んでいるのか、海外旅行には行ったことがあるか、どんな趣味があるのか。
 これらの情報は非常に有用です。医学生や研修医が指導医にプレゼンテーションする時は、あたかも目の前に患者さんがいるかのごとく、詳細な症状の進行を簡潔に伝えなければいけません。

解説 Q1

 「問診」だけで80%の診断が可能と言われています。しかし、ただ患者さんの話を聞くだけではいけません。鑑別診断を思い浮かべながら、「こんな症状はなかったのですか?」と積極的に質問する「攻める問診」が診断には重要です。
 総合診療医である主人公の徳重先生は、患者さんが転倒により上腕骨の骨折をしたことを見逃しませんでした。意識があれば、急に転びそうになったら手をついて転倒時の衝撃をやわらげますよね。外傷では出血や骨折という華々しい出来事に目を奪われがちですが、「転倒時に意識を失ったのではないか? それはなぜ?」と推理することが大切なのです。なんだか探偵シャーロック・ホームズのようでカッコいいですね。

Q2以降の解説およびクイズの答えは、『総合診療』電子版ポータルサイトでご参照ください。


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19番目のカルテー徳重晃の問診(ゼノンコミックス)

著:富士屋カツヒト
医療原案:川下剛史

「病理」「産科」「放射線科」…18のスペシャリストが活躍する病院に誕生した19番目の新領域、「患者を診る」という専門医。それが「総合診療医」である。物語の中で見た「なんでも治せる」お医者さんに憧れる、3年目の女性医師・滝野は、細分化された専門領域で、それぞれの専門を極めることを是とする医師のシステムの中で、理想と現実のギャップに悩んでいた。そんな中、滝野の前に総合診療医・徳重が現れる!

最新11巻では、最も未知で最も重要な臓器・脳がテーマ。それを専門とする脳外科3年目の医師は、自らの技量が周囲の医師と比べて、劣っているのではないかと悩んでいた。さらなる自己研鑽と経験を積むことを上司からも薦められたが、次第に追い込まれていき…。

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