第2回 本当に必要な治療―(『19番目のカルテ』第2話より)

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漫画『19番目のカルテ』を読んで、“ドクターG度”検定クイズに挑戦!
あなたは初級? 中級? 上級?

※本記事は、漫画『19番目のカルテ―徳重晃の問診』のドラマ化(TBS系日曜劇場、毎週日曜21時~)を記念し、2021~2022年に掲載された『総合診療』誌での同作関連の連載より、第2回(2021年5月号、p.623~625)を「1カ月間限定」にて復刻するものです。

※特設サイトでは、『19番目のカルテ』を期間限定にて無料でお読みいただけ、そのエピソードに因んだ「“ドクターG度”検定」に挑戦できます。自動採点され、正解とミニ解説に加え、同作の主人公・徳重晃先生からのコメントも! 結果は、ぜひSNSでシェアしてみてください。

【今月の出題・解説】徳田安春(臨床研修病院群 プロジェクト群星沖縄研修センター)

まずは漫画の試し読みから!

 特設サイトから『19 番目のカルテ』第2話「本当に必要な治療」を読もう! 読んだら、以下の「“ドクターG度”検定」に挑戦しましょう!

“ドクターG度”検定に挑戦しよう

Q1 痛風を起こしにくい関節はどれか?

膝関節
第一中足趾節関節(足の親趾の付け根の関節)
耳介(耳たぶ)
 肩関節

Q2 痛風が起こりやすくなる飲食物はどれか?

コーヒー
ソフトドリンク
ウーロン茶
野菜類

Q3 医療面接で最初に行う質問形式は何か?

閉鎖型質問
 開放型質問
システムレビュー
アレルギー歴

Q4 皮下出血が診断の鍵となる疾患はどれか?

血管炎
帯状疱疹
新型コロナウイルス感染症
 甲状腺機能亢進症

Q5 アルコール依存症の診断に有用なテストはどれか?

GCS(Glasgow Coma Scale)
PHQ-9(Patient Health Questionnaire-9)
AUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)
 Beers 基準

深読み解説

 今回の『19番目のカルテ』第2話はいかがでしたか? 患者さんは痛風でした。痛風は男性で大酒家に多く発症します。
    その病態生理は、尿酸結晶の沈着で炎症が起こることです。体内で沈着しやすい部位は、関節、骨、軟部組織です。関節で炎症を起こす関節炎の場合、急性と慢性の両パターンがあります。軟部組織に尿酸結晶が沈着して炎症性肉芽腫をつくると痛風結節となり、軟部組織が結節状に腫脹します。

解説 Q1

 痛風では、尿酸結晶が関節に沈着して白血球遊走などによる炎症をきたします。尿酸結晶の溶解度は気温が低くなるに従って低下するので、結晶として析出しやすくなります。このため痛風は“温度の低い”関節で起こります。第一足趾の付け根にある「第一中足趾節関節」は、温度が低く痛風が起こりやすい関節として有名です。その理由は、この関節が体の中心部の体幹から遠い所にあること、そして温かい筋肉に囲まれていないためです。
 今回のエピソードの患者さんの症状が出た「膝関節」も、比較的温度の低い関節なので、痛風による関節炎でよくみます。軟部組織でも、温度の低い「耳介(耳たぶ)」に、尿酸結晶の沈着による結節がつくられやすくなります。筋肉に囲まれ、温度の高い関節=股関節や「肩関節」に痛風発作が起こることは稀で

肩関節

Q2以降の解説および正解は、『総合診療』電子版ポータルサイトでご参照ください。


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19番目のカルテー徳重晃の問診(ゼノンコミックス)

著:富士屋カツヒト
医療原案:川下剛史

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