第3回 “痛み”の名前―(『19番目のカルテ』第3話より)

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漫画『19番目のカルテ』を読んで、“ドクターG度”検定クイズに挑戦!
あなたは初級? 中級? 上級?

※本記事は、漫画『19番目のカルテ―徳重晃の問診』のドラマ化(TBS系日曜劇場、毎週日曜21時~)を記念し、2021~2022年に掲載された『総合診療』誌での同作関連の連載より、第3回(2021年6月号、p.767~769)を「1カ月間限定」にて復刻するものです。

※特設サイトでは、『19番目のカルテ』を期間限定にて無料でお読みいただけ、そのエピソードに因んだ「“ドクターG度”検定」に挑戦できます。自動採点され、正解とミニ解説に加え、同作の主人公・徳重晃先生からのコメントも! 結果は、ぜひSNSでシェアしてみてください。

【今月の出題・解説】山中克郎(諏訪中央病院 総合診療科)

まずは漫画の試し読みから!

 特設サイトから『19 番目のカルテ』第3話「“痛み”の名前」を読もう! 読んだら、以下の「“ドクターG度”検定」に挑戦しましょう!

“ドクターG度”検定に挑戦しよう

Q1 次のうち、痛みと同じ感覚神経を用いて脳に伝えられる情報は?

位置覚
温度覚
触覚
振動覚

Q2 本エピソードの主人公、黒岩モモさん(29歳女性)は、1週間前に北山病院救急外来に救急車で運ばれ受診し、この時「息もできなくて、このまま死んじゃうんじゃないかと怖かった」と述べています。この症状からどんな疾患を想起しますか?

肋骨骨折
大動脈解離
パニック発作
PTSD(post traumatic stress disorder:心的外傷後ストレス障害)

Q3 線維筋痛症と同じような全身の痛みを起こす疾患の組み合わせで、次のうち正しいものは?

糖尿病、片頭痛、パルボウイルス感染症
副腎不全、悪性腫瘍の転移、ビタミンB1欠乏症
敗血症、ビタミンD欠乏症、リウマチ性多発筋痛症
関節リウマチ、甲状腺機能低下症、低ナトリウム血症

Q4 線維筋痛症の診断において特徴的な症状である「アロディニア」とは?

抑うつ気分 
四肢末梢のしびれ
 眠ることができないような持続的な鈍痛
痛みを起こさないような軽度の刺激により痛みを感じること

Q5 次のうち、線維筋痛症に有効でない治療法は?

モルヒネ
 認知行動療法
プレガバリン(リリカ®
 デュロキセチン(サインバルタ®

深読み解説

 本エピソードの主人公、黒岩モモさん(29歳女性)が訴える全身の痛みは、とても辛そうですね。慢性のひどい痛みにより、仕事だけでなく日常生活を送ることも難しい様子です。総合診療医である徳重先生の外来を受診する前に7〜8件の医療機関を受診したようですが、痛みの原因は不明です。
 長期間にわたり痛みが続くとうつ状態になる人がいます。私は幸い経験がないのですが、陣痛は最も強い痛みの1つとも言われます。愛する子どものため、ひどい痛みを克服して出産する女性に、心からの敬意を払います。

解説 Q1

 温度覚と痛覚は、外側脊髄視床路と呼ばれる神経経路を通って、末梢神経から脊髄、脳幹、大脳へと信号が伝達されます。位置覚と振動覚は後索路、触覚は前脊髄視床路と後索路により伝わります。
 “ ゲシュタルト” というドイツ語があります。医学では、「ある疾患の患者さんにはどんなイメージを持つか」ということを表す場合に使います。私の線維筋痛症の患者さんに対するゲシュタルトは、「若い女性が非常に強い全身の慢性疼痛と大きな不安を訴え、さまざまな医療機関や診療科を受診するが、原因がわからない」というものです。

温度覚

Q2以降の解説およびクイズの答えは、『総合診療』電子版ポータルサイトでご参照ください。


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19番目のカルテー徳重晃の問診(ゼノンコミックス)

著:富士屋カツヒト
医療原案:川下剛史

「病理」「産科」「放射線科」…18のスペシャリストが活躍する病院に誕生した19番目の新領域、「患者を診る」という専門医。それが「総合診療医」である。物語の中で見た「なんでも治せる」お医者さんに憧れる、3年目の女性医師・滝野は、細分化された専門領域で、それぞれの専門を極めることを是とする医師のシステムの中で、理想と現実のギャップに悩んでいた。そんな中、滝野の前に総合診療医・徳重が現れる!

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