【ケース概要】
1例目:50代、男性。糖尿病。
長期出張も多く仕事が多忙で、なかなか定期外来受診の都合がつかない。受診の意思はあるが、その時間をとれない状態が続いている。患者の希望に合わせ、外来日時を調整するなどして、主治医としてなんとか継続診療を行ってきたが…。
2例目:80代、男性。慢性心不全ほか多疾患併存。
医学的には新たな薬(Fantastic 4)を導入したい状態。しかし経済的に困窮しており、「医療にお金をかける余裕がない」という。「生活保護」の申請を勧めるべきなのか…?
【出演(パーソナリティ)】
藤沼 康樹(生協浮間診療所/医療福祉生協連家庭医療学開発センター:CFMD)
金子 惇(横浜市立大学大学院 データサイエンス研究科 ヘルスデータサイエンス専攻)
綿貫 聡(医療法人社団 おうちの診療所)
八百 壮大(JCHO横浜保土ケ谷中央病院 総合診療科)
【このカンファで語られている10点ポイント】
「オープニング」
●ドラマ『19番目のカルテ』みてた?
1例目「忙しすぎて定期受診の時間がない患者さん」
➊「自分の患者さん」――“主治医感”とは何ぞや?
➋1人の患者さんを複数医師・多職種で診る仕組みを構築中です。
➌「1人の医師がずっと診ること」は必ずしも重要ではない!
➍「お医者さんって人によって全然言うことが違うんですね…(めちゃ不安)」
➎「継続ケア」の質を担保するにはチームで価値観を共有しよう
2例目「Fantastic 4は贅沢品? 生活保護を勧めるべき?」
➏この患者さんの予後を規定するのは薬の種類か?
➐“生活保護予備群”――日本の生活保護捕捉率は低い…
➑「保険証は懸命に生きてきた証」
➒直線状の時間と、円環状の時間
➓寿・山谷・西成の医療者で「Deep End Case Conference」(オンライン)始めました。
→参加希望はこちらまで
【参考文献】
大竹裕子:生きることでなぜ、たましいの傷が癒されるのか―紛争地ルワンダに暮らす人びとの民族誌.白水社,2025
…ルワンダの人々は「円環状」の時間を生きている――。ルワンダ虐殺を生き残った人々にとって、紛争による苦しみとは何であり、紛争からの回復とは何を意味するのか? 直線状の時間を生きる“支援者”たちの西洋医学的なアプローチは「支援」足りうるのか? 「医療人類学」から分析したエスノグラフィ。