吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)
Answer
漢方薬による肝障害は,黄芩によるアレルギー免疫学的反応が主な原因と考えられています。黄芩含有の漢方薬による肝障害の発症頻度は1.0%前後と報告されています。発症時期は服用開始後1~2カ月前後のことが多く,肝障害の早期発見のために,黄芩を含む漢方薬を開始した場合は,投与開始1~2カ月後には必ず血液検査を行って肝機能をチェックすることが重要です。
漢方薬による肝障害の頻度は近年増加傾向で,主な原因として黄芩(おうごん)によるアレルギー免疫学的反応が関与していると考えられています。黄芩含有の漢方薬による肝障害の頻度は1,328例中13例(1.0%)1),あるいは1,547例中19例(1.2%)2)と報告されています。黄芩を含有する漢方薬を表にまとめました。