吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)
Answer
肝障害と同様に,漢方薬による間質性肺炎も黄芩が原因と考えられています。発症頻度は高くはないものの,重篤な症例や死亡例の報告もあることから注意が必要です。黄芩を含む漢方薬を数週間以上内服する場合,呼吸困難,発熱,咳嗽などの症状が出たらすぐに内服を中止して医療機関を受診するよう,あらかじめ指導することが重要です。
漢方薬による間質性肺炎は,1989年に小柴胡湯(しょうさいことう)に起因するものが報告1)され,その後も小柴胡湯による間質性肺炎の報告が続き,重篤な症例や死亡例も報告されました2)。これは慢性肝炎に小柴胡湯が頻用されていた時代背景もあり,1996年から小柴胡湯とインターフェロンの併用は禁忌となりました。