吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)
Answer
腸間膜静脈硬化症は,山梔子を含む漢方薬の長期間の内服(多くは5年以上)で発症リスクが高くなります。山梔子を含む漢方薬は更年期障害に用いる加味逍遙散や皮膚科(にきび,慢性湿疹),耳鼻科(副鼻腔炎),泌尿器科(前立腺炎,頻尿)で用いる漢方薬に含まれます。これらの漢方薬を漫然と長期間内服しないことが腸間膜静脈硬化症の発症を防ぐために重要です。
腸間膜静脈硬化症は,山梔子(さんしし)を含む漢方薬との関連が指摘されています。全国調査では山梔子を含有する漢方薬の服用期間は平均13.6年(3~51年)で,92.6%の患者が5年以上,69.5%の患者が10年以上服用していました1)。