吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)
Answer
小柴胡湯とインターフェロン製剤は,いずれも間質性肺炎のリスクが高まる可能性があることから,両者の併用は禁忌(併用してはいけない)です。添付文書に記載はありませんが,小柴胡湯以外の黄芩を含む漢方薬においても,インターフェロン製剤との併用は禁忌と考えます。
西洋薬と漢方薬との相互作用で最も注意すべきものは,小柴胡湯(しょうさいことう)とインターフェロン製剤の併用です。両者の併用は添付文書に併用禁忌(併用してはいけない)として記載されています。慢性肝炎に対して小柴胡湯が頻用された経緯から,1989年以降,小柴胡湯による間質性肺炎の報告が相次ぎました。同じく慢性肝炎の治療に用いられるインターフェロン製剤と間質性肺炎の副作用が重なることが併用禁忌の理由です。