Question 54 
漢方薬のポリファーマシーについて教えてください。

吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)

 

Answer

複数の医療機関からそれぞれ漢方薬を処方されている「漢方薬のポリファーマシー」の問題が生じています。漢方薬を併用すると,注意すべき生薬の重複により副作用のリスクが高まってしまいます。本来の漢方治療は,患者の心身の全体像を捉えて1人の医師から行われるべきです。

 

近年,ポリファーマシーが注目を集めていますが,これは漢方薬についても同様です。複数の疾患や症状を抱えている高齢者の増加や医療の細分化の影響で,複数の医療機関からそれぞれ漢方薬を処方されている「漢方薬のポリファーマシー」の問題が生じています1)。例えば,整形外科で腰痛に牛車腎気丸(ごしゃじんきがん),消化器内科で慢性胃炎に六君子湯(りっくんしとう),かかりつけ内科で全身倦怠感に人参養栄湯(にんじんようえいとう)というような状況です。

 

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