北野 史也(聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科)
大槻 拓矢(川崎市立多摩病院総合診療内科)
図1 圧痛点(写真は模擬患者)
CASE
患者:40代,男性。病院受診歴なし。
現病歴:来院当日朝からの悪心を伴う緩徐発症の持続的な上腹部痛と歩行時に響くような痛みがあった。日中自宅で経過をみていたが次第に増悪したため,夜間救急外来を受診した。日本酒換算3~4合/日の常習的なアルコール摂取歴がある。
バイタルサイン:来院時,血圧149/95mmHg,脈拍120回/分,呼吸数16回/分,SpO2 99%(room air),体温36.5℃,意識清明。ベッド上に胸膝位でうずくまっている。
身体診察:仰臥位で,剣状突起と臍を結ぶ線の中心から二横指左を最強点とする図1の部位(図2,3の矢印部分)に圧痛を認めた。
図2 正面図
図3 俯瞰図
Q1 この身体診察は,以下のうち,主にどの疾患を疑うときに実施するものとして知られているか?
(1)尿管結石
(2)腹部大動脈瘤破裂
(3)急性腎盂腎炎
(4)急性膵炎
(5)外傷性脾損傷