第27回 The sound of “Inferno”(地獄の音色)

石井 大太(浦添総合病院 病院総合内科)

 

CASE
患者:28歳,女性。
主訴:頭痛,不眠。
現病歴
X−3年3月:入眠困難,頭痛を主訴に前医を受診した。適応障害,不眠症の診断でゾルピデム,アルプラゾラムが処方され,軽快し終診となった。
X−2年4月:不安,不眠症状が再燃し,再度前医を受診したが,同様の処方で終診となった。
X−1年2月:不眠,出勤前の不安を訴え休職した。その後,診断を統合失調症に変更され,アリピプラゾールが開始された。
X年6月より復職したが,症状が遷延するため,精査加療目的に当院へ紹介された。
既往歴:統合失調症の疑い。
常用薬:アリピプラゾール,スボレキサント,レボメプロマジン,ロフラゼプ酸エチル,エスゾピクロン,リスペリドン,ニトラゼパム,ロラゼパム。
バイタルサイン:体温36.9℃,血圧 132/88mmHg,心拍数146回/分,呼吸数 18回/分,SpO2 98%(room air)。
血液検査所見:TSH<0.010 μU/mL,FT4 2.42 ng/dL。

 

図 1 に,同患者の頸部の聴診所見を掲載する。

 


図1 頸部の聴診
▶下記の再生ボタンをクリックしてください。
音声1
音声2
※再生時の音量にご注意ください。

 

Q1 以下の選択肢のうち,本患者の診断として最も考えられるのはどれか? 

(1)無痛性甲状腺炎
(2)亜急性甲状腺炎
(3)Basedow病
(4)自律性機能性甲状腺結節(Plummer病)
(5)医原性甲状腺中毒症

 

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