第15回 使いどころをわきまえたいカルバペネム系

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京大学医学部附属病院感染症内科)

 

Keywords:メロペネム(MEPM),ピペラシリン・タゾバクタム(PIPC/TAZ),基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌

 

Q. メロペネムのスペクトラムを教えてください!

A. 実は,ピペラシリン・タゾバクタムとほぼ同じです。

 

長かったセフェム系の話を終えたところで,今回はカルバペネム系の解説をしていきます。βラクタム系の締めくくりになります。カルバペネム系には,イミペネム(IPM),メロペネム,ドリペネム(DRPM)などの抗菌薬があります。イミペネムはグラム陽性球菌(GPC)がやや得意で,メロペネムやドリペネムはグラム陰性桿菌(GNR)がやや得意という違いはあるのですが,実臨床でこれらの差を意識することはほとんどありません。したがって,どれを選んでいただいても構いませんが,今回は比較的よく用いられるメロペネムで話を進めたいと思います。

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