第28回 蜂窩織炎の誤診パターン

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:蜂窩織炎,化膿性関節炎,化膿性腱鞘炎,壊死性筋膜炎,両側性,うっ滞性皮膚炎,感染性心内膜炎

 

Q. 両下腿蜂窩織炎の患者をみたときに気をつけることを教えてください! 

A. 蜂窩織炎は片側性のことが多いので,もしかしたら誤診かもしれません。うっ滞性皮膚炎や感染性心内膜炎などが疑わしくないか,もう一度点検してみましょう。

 

蜂窩織炎は日常診療でよく遭遇する疾患で,皮膚の発赤・腫脹・熱感といった臨床所見が診断の主な根拠になります。しかし,同様の臨床所見を呈する疾患はほかにも多く存在するため,蜂窩織炎の診断にはどうしても誤診がつきまとうものです注1。今回は,蜂窩織炎の典型的な誤診パターンを紹介いたします。誤診パターンは,大きく「深さ」と「分布」の誤診に分けることができます。

 

続きを読むには
無料の会員登録 が必要です。

こちらの記事の内容はお役に立ちましたか?