執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)
Keywords:蜂窩織炎,皮膚バリアの破綻,背景疾患の治療,予防的抗菌薬
Q. 蜂窩織炎で繰り返し入院する患者への予防的抗菌薬について教えてください!
A. 年間3~4回,蜂窩織炎を起こす患者では検討してよいかもしれません。ただ,その前に蜂窩織炎に関連する背景疾患などがないかを点検したいところです。
蜂窩織炎の厄介な点は,しばしば再発することです。特に脳梗塞や糖尿病で感覚障害を伴う患者の場合は,蜂窩織炎が再発しても気がつかずに日常生活を続けてしまうため,毎回敗血症性ショックになってから救急搬送されるという,きわめて危険なケースもあります。このような症例を見かけると,予防的抗菌薬をどうするかという議論になるのですが,今回は蜂窩織炎の予防について述べていきます。