第33回 「蜂窩織炎」のなかからどう壊死性筋膜炎を拾い上げるか

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:蜂窩織炎,壊死性筋膜炎,LRINECスコア,pain out of proportion,premature closure,フォローアップ

 

Q. 蜂窩織炎の患者が将来,壊死性筋膜炎になるか見分ける方法を教えてください! 

A. 一度きりの外来診察で判断することは困難です。なるべくフォローアップするようにして,見た目の割に強い疼痛が出現したり,範囲が広がったりする場合は要注意です。

 

ここまで蜂窩織炎を題材に皮膚軟部組織感染症の話をしてきましたが,この分野を語るうえでは壊死性筋膜炎の話題も避けては通れません。「最初期の壊死性筋膜炎をどうしたら蜂窩織炎と識別できるか?」という質問を受けますが,残念ながらこれは筆者もわかりません。その理由を解説する前に,ある程度進行した壊死性筋膜炎について基本事項をまとめていきます。

 

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