第40回 腎盂腎炎で画像検査を考えるタイミング

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:腎盂腎炎,画像検査,腎周囲脂肪織濃度,閉塞機転,水腎症,超音波検査,前立腺,CT,解熱,72時間

 

Q. 尿路感染症ではいつ画像検査をすればよいのか教えてください! 

A. 全例で必須というわけでもありませんが,腎盂腎炎を疑ったら速やかに超音波検査で水腎症がないことを確認するのが理想的です。72時間以内に解熱しなかったり,全身状態が悪化したりする場合は,閉塞機転を検索するためにCTの撮影まで検討しましょう。

 

尿路感染症,特に腎盂腎炎の診断は難しいということは,これまでずっとお話ししてきましたが,そうすると「画像検査で診断を補強するのはどうか?」というご意見をいただくことがあります。たしかに,腎盂腎炎患者のCTでは患側腎周囲の脂肪織濃度が上昇し,健側腎周囲と比べてモヤモヤしているように見えることがあります。このような脂肪織濃度の上昇は炎症を反映することが多いため,腎実質に炎症があると解釈したくなるのもわかります。

 

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