第48回 かぜで躓かないために (2)

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:5 killer sore throat,急性喉頭蓋炎,扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍,口腔底蜂窩織炎,Lemierre症候群,敗血症性肺塞栓症,A群β溶血性レンサ球菌,嫌気性菌,Fusobacterium necrophorum,心筋梗塞,大動脈解離

 

Q. 咽頭痛で注意すべき疾患を教えてください!  

A. 咽頭痛が強い場合の緊急疾患として,急性喉頭蓋炎,扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍,口腔底蜂窩織炎,Lemierre症候群があり,“5 killer sore throat”と呼ばれています。それらに加え,心筋梗塞や大動脈解離の放散痛にも注意が必要です。

 

前回は,かぜのなかでも鼻症状や咳嗽症状の強い「はな型」「せき型」の注意点を解説しましたが,今回は咽頭痛が強い「のど型」についてです。「のど型」は溶連菌咽頭炎が代表的ですが,後から気道緊急に至る疾患も含まれるため,注意すべき事項が多いです初診時には全く所見が目立たない症例も多いため,前回でも触れましたが帰宅時の説明がきわめて重要になります。例えば,唾を呑み込めない,声がくぐもってくる(hot potato voice),息苦しい,口を開けづらいといった症状は緊急度の高さを示唆します注1

 

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