第54回 薬剤耐性はインフルエンザ桿菌に学べ

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:インフルエンザ桿菌,BLNAS,アンピシリン(ABPC),BLPAR,アンピシリン・スルバクタム(ABPC/SBT),BLNAR,第三世代セフェム,セフトリアキソン(CTRX)

 

Q. BLNAR株について詳しく教えてください!  

A. βラクタマーゼを産生していないのにアンピシリンに耐性をもつインフルエンザ桿菌の株のことです。このような場面ではβラクタマーゼ阻害薬が無効です。

 

市中発症の定型肺炎の三大起因菌といえば,肺炎球菌,インフルエンザ桿菌,モラキセラ・カタラリスであることを第50回で説明しました。唐突ではありますが,今回はインフルエンザ桿菌について少し掘り下げてみたいと思います。というのも,インフルエンザ桿菌を学ぶと抗菌薬に対する耐性機序の見通しがよくなるので,絶好の学習材料になるのです

 

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