第58回 市中肺炎予防としての肺炎球菌ワクチン

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23),13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13),15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15),トキソイド,免疫記憶

 

Q. 複数ある肺炎球菌ワクチンの違いを教えてください!  

A. カバーする血清型の範囲と免疫記憶の有無が異なります。

 

超高齢社会の日本では肺炎による入院や死亡が多く,繰り返す肺炎の診療に絶望を覚えることも少なからずあると思います。肺炎に対する標準的な抗菌薬投与期間は5~7日程度と短めですが,肺炎を治して終わりというケースは少数で,むしろその後の廃用症候群への対応に難儀するものです。このような状況では,当然ながら肺炎予防に強い関心が向いてくるわけです。

 

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