第62回 血液検査だけでは見逃されがちな腹腔内感染症

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:血液検査,炎症反応,肝胆道系酵素,胆管炎,肝膿瘍

 

Q. 腹腔内感染症における血液検査の注意点を教えてください!  

A. 過信しすぎないことが大切です。病初期では炎症反応が上昇していないことがありますし,肝胆道系感染症でも肝胆道系酵素が上昇するとはかぎりません。

 

救急外来ではしばしば多忙になります。本来的には,問診,身体診察,一次検査…と順を追って行うべき診断プロセスも,急を要する場面では,検査を先に行って,その間に問診や身体診察を行わざるをえなくなることも少なくありません。ただ,この方法を繰り返し行っていると,検査だけで診断プロセスを完了してしまい,問診や身体診察が疎かになることもあるので(自戒も込めて)注意したいところです。

 

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