第71回 Clostridioides difficile腸炎の国内外事情

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:Clostridioides difficile腸炎,CDトキシン,GDH抗原,メトロニダゾール(MNZ),バンコマイシン(VCM),フィダキソマイシン(FDX),接触予防策

 

Q. Clostridioides difficile腸炎に対する抗菌薬の使い分けを教えてください! 

A. 薬価と再発リスクとの兼ね合いで考えます。初発例であれば,メトロニダゾールかバンコマイシンを使用しますが,再発リスクを低減したい場合は後者のほうがよいかもしれません。

 

感染性腸炎の話題として,しばしば院内発生するClostridioides difficile(CD)腸炎の話題も避けては通れません。CD腸炎といえば,すべての抗菌薬が発症リスクになりうると考えられており,高齢者や長期入院患者,消化管手術,プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)の使用などもリスク因子として知られています。こういったリスク因子がある患者が1日に3回以上の水様便,発熱,腹痛,白血球増多を示す場合にはCD腸炎を疑って検査を行う必要があります。

 

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