第76回 中心静脈カテーテル関連血流感染症

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:中心静脈カテーテル関連血流感染症,血液培養,differential time to positivity,黄色ブドウ球菌,バンコマイシン(VCM),ダプトマイシン(DAP),抗菌薬ロック療法

 

Q. 中心静脈カテーテル先端培養が陽性のときにどうしたらよいか教えてください! 

A. 血液培養が陽性であれば,菌血症として抗菌薬を投与します。ただし,血液培養が陰性で明確な感染徴候がない場合には,汚染菌をみているだけの可能性があり,慎重に経過観察します。 

 

菌血症を治療するにあたり,少なからず気になる問題としてデバイスの存在があります。人体の本来の組織とは異なり,内部に血液の通っていない人工物には感染に対する防御機構が働きにくく,一度人工物に感染を生じてしまうと,そのマネジメントには難渋します。抗菌薬だけでは治療しきれないことが少なからずありますし,場合によってはデバイスを取り除く必要も出てきます。今回は菌血症にちなんで,血管内デバイスが関連する感染症のなかでも,中心静脈カテーテル関連血流感染症の話題です。

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