第79回 たまにみかける感染性動脈瘤

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:感染性動脈瘤,大動脈炎,ブドウ球菌,肺炎球菌,サルモネラ属,梅毒トレポネーマ,結核菌,顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤

 

Q. 回盲部炎の患者を入院させたのですが,CTの読影で感染性大動脈瘤疑いとの結果でした。何が起こっているのか教えてください!

A. ひょっとしたら,サルモネラ腸炎かもしれません。細菌検査室と情報共有しながら,血液培養と便培養を提出するのがよさそうです。

 

菌血症や人工血管感染の話題に触れてきたので,寄り道で自己血管における感染性動脈瘤のお話もさせていただければと思います。動脈瘤は,動脈硬化性疾患や外傷などを契機として生じることが多いのですが,それ以外の背景疾患から二次性に生じることもしばしばあります。具体的には,Marfan(マルファン)症候群やEhlers-Danlos(エーラス・ダンロス)症候群といった結合組織疾患,巨細胞性動脈炎や高安動脈炎といった血管炎に続発することがあるわけです。 

 

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