執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)
Keywords:感染性心内膜炎(IE),黄色ブドウ球菌,Staphylococcus lugdunensis,腸球菌,レンサ球菌,Osler結節,Janeway皮疹,血液培養,心臓超音波検査
Q. 感染性心内膜炎を疑っているけれど,あと一歩のところで診断がつかないときの対応を教えてください!
A. 繰り返し身体診察や心臓超音波検査などでフォローアップするのがよいと思います。後から所見が出現してくることがよくあります。
血流感染症の治療過程で問題となる合併症として,今回と次回は感染性心内膜炎(infectious endocarditis:IE)に焦点を当てていきます。知名度の割にIEは見逃されやすく,加えて治療期間も長いため,苦手意識を抱いている先生方も多いかと思います。ここでは,IEのポイントとして,IEを想起すべき状況,どのように検査を組み立てるか,そして抗菌薬レジメンをどうするかという内容をピックアップします。