執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)
Keywords:液性免疫障害,莢膜,肺炎球菌,髄膜炎菌,インフルエンザ桿菌,ワクチン
Q. 液性免疫障害で注意すべき細菌を教えてください!
A. 莢膜をつくる細菌に注意が必要で,具体的には肺炎球菌,髄膜炎菌,インフルエンザ桿菌を押さえるとよいかと思います。
これまで見てきた通り,液性免疫ではB細胞による抗体(免疫グロブリン)が重要なメカニズムです。抗体が産生されて,それが病原体に付着することで(オプソニン化),貪食細胞がその病原体を貪食しやすくなるということですね。そして,こういったメカニズムは,莢膜をもっていて貪食されにくい病原体において特に生きてきます。逆に言えば,液性免疫障害があると,莢膜をもつ病原体による感染症に対して免疫応答しにくいということになるわけです。今回は,そういった莢膜をもつ病原体についてです。