執筆:谷口 智宏(県立広島病院 総合診療科・感染症科部長)
執筆協力:米本 仁史(大和高田市立病院 感染症内科医長)
症例
患者 50代男性。ADLは自立
主訴 発熱、悪寒戦慄
現病歴 来院3日前の19時頃より、倦怠感とさむけを自覚し、熱を測ると38.0℃あり、味覚低下も伴った。2日前にクリニックを受診し、鼻咽頭インフルエンザとSARS-CoV-2抗原は陰性だった。発熱は持続し、前日に他院を受診し、血液検査でWBC 11,000/μL、CRP 35 mg/dL、尿検査で糖と蛋白陽性、ケトン体 3+、白血球陰性で、鼻咽頭SARS-CoV-2のPCRを採取し帰宅したが、夜に悪寒戦慄を伴う40.7℃の発熱があり。アセトアミノフェンで解熱したが、数時間で再上昇した。
当日PCR検査の結果を聞きに行く予定であったが、体調不良により自宅からの移動が困難となり、緊急紹介、救急車で搬送された。咳や痰など呼吸器症状は認めなかった。