執筆:谷口 智宏(県立広島病院 総合診療科・感染症科部長)
執筆協力:米本 仁史(大和高田市立病院 感染症内科部長)
症例
患者 60代男性。ADLは自立
主訴 右背部痛
現病歴 来院2日前の就業後15時に帰宅し、家事をして横になり、19時に目が覚めると背部の激痛あり。正中よりも右寄りの疼痛で、そのまま何とか就寝した。同僚が体調不良で病休したため休めなくなり、前日も痛みを我慢しながら仕事をしたが、痛みが強く、近医整形外科を受診した。強い背部痛を認めたため、大動脈解離が疑われて循環器内科に緊急搬送された。発熱はなく、右肋骨脊椎角(CVA)叩打痛陽性、WBC 16,000/μL、CRP 5mg/dL、血尿なし、心電図異常なし、造影CTで大動脈解離なく、胆石はあるが尿管結石なし。原因不明であったが、レボフロキサシンと非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の処方で帰宅した。その後も背部痛は続き、背中に湿布を3枚貼り、深呼吸すると痛みが増強するので浅めの呼吸でしのいでいた。
当日も背部痛が続くため、別の近医を受診し、WBC 13,000/μL、CRP 19mg/dL。胆石があるので胆嚢炎が疑われ、当院消化器内科に緊急搬送された。熱は37.7℃出ていたが、さむけは伴わず、腹部圧痛は認めなかった。再度造影CTが撮影されたが原因不明のため当科にコンサルトされた。中枢神経、呼吸器、消化器、尿路症状なし。