青島 周一(医療法人社団徳仁会中野病院薬剤部)
近年,GLP-1(glucagon-like peptide 1)受容体作動薬は,糖尿病患者の心血管疾患リスクに対する効果だけでなく,肥満患者の体重減少に対する効果にも注目が集まっています。肥満を有するHFpEF(heart failure with preserved ejection fraction:駆出率が保たれた心不全)患者を対象としたSTEP-HFpEF試験では,GLP-1受容体作動薬のセマグルチドを投与することで,体重減少のみならず,心不全に関連したQOL(生活の質)の改善が示されました1)。
背景エビデンス―肥満HFpEF患者の予後とセマグルチドの有効性
図1 肥満を合併したHFpEF患者の予後とセマグルチドの有効性