青島 周一(医療法人社団徳仁会中野病院薬剤部)
感染症の予防に対するマスクの有効性は,質の高い検証が困難な臨床課題の1つです。マスクの着用判断は被験者の意思が介在する余地が大きく,長期にわたって介入アドヒアランスを維持することが難しいからです。また,プラセボマスクを作成したうえで,二重盲検下でマスクの効果を検証することは現実的に不可能だといってもよいでしょう。
そのようななか,感染予防に対するマスクの効果を検討したランダム化比較試験の結果が報告されました1)。本研究では,マスクを着用することで呼吸器症状の発症割合が統計学的にも有意に低下しました。
背景エビデンス-呼吸器感染症の予防に対するマスクの効果
図1 呼吸器感染症の予防に対するマスクの効果