青島 周一(医療法人社団徳仁会中野病院薬剤部)
心筋梗塞を発症すると,心機能の低下に対する代償反応として交感神経系が活性化します。代償反応は心拍出量の短期的な維持に役立つ一方,長期的には心筋リモデリングを促し,心不全の発症リスクを高めると考えられています1)。そのため,心筋梗塞後における心不全リスクの管理には,β遮断薬が広く用いられてきました。しかしながら,2024年4月に報告されたREDUCE-AMI試験2)では,心筋梗塞後におけるβ遮断薬の有効性は示されませんでした。
背景エビデンス-心筋梗塞後におけるβ遮断薬の効果
図1 心筋梗塞後におけるβ遮断薬の有効性