青島 周一(医療法人社団徳仁会中野病院薬剤部)
2型糖尿病患者に対するGLP-1受容体作動薬の使用は,心血管イベントのリスク低下に関連していることが知られています1)。ただし,注射製剤として開発されたGLP-1受容体作動薬は,その治療アドヒアランスの低さが臨床上の課題となることもあります2)。
そのようななか,経口投与が可能なセマグルチド製剤(リベルサス®錠)が開発され,日本国内では2021年に販売が開始されました。また,2型糖尿病患者を対象としたSOUL試験3)では,経口セマグルチドの投与によって心血管イベントの発症リスクが低下しました。
背景エビデンス-心血管イベントに対するセマグルチドの効果
図1 心血管イベントに対するセマグルチドの効果