青島 周一(医療法人社団徳仁会中野病院薬剤部)
網膜症や黄斑症は,糖尿病の一般的な合併症であり,視力喪失や視力低下の主な要因です1)。これらの眼疾患が進行すると,網膜レーザー治療(網膜光凝固術)や抗VEGF(血管内皮細胞増殖因子)薬の硝子体内注射など,専門的かつ高コストな治療が必要となります。
そのようななか,糖尿病性の網膜症や黄斑症に対するフェノフィブラートの予防効果を検証したLENS試験の結果2)が報告されました。本研究では,フェノフィブラートの投与によって,糖尿病性網膜症および黄斑症の発症,またはこれら眼疾患に対する治療の実施が,統計学的にも有意に減少しました。
背景エビデンス
-糖尿病性網膜症に対するフェノフィブラートの効果

図1 糖尿病性網膜症に対するフェノフィブラートの効果