文責:杉原 伸明(北海道GIMカンファレンス世話人/北海道家庭医療学センター、帯広協会病院 総合診療科)
前々回、前回の2回にわたり、第42回北海道GIMカンファレンス(2026年6月13日、札幌医科大学+オンラインのハイブリッド開催)の2症例をお届けした。そのカンファレンスに先立ち、当日11時~14時まで医学生向けの前段企画を実施した。「臨床推論&身体診察ワークショップ」と題した3時間である。参加は医学生・初期研修医あわせて20名弱(現地開催のみ)。予算はゼロで行った。
今回は、当日の症例そのものよりも、この企画をどう設計したかをお伝えしたい。学生に届く勉強会をどう作るか、そしてカンファレンス本編を学生にも参加してもらいやすい会としてどう盛り上げていくか。 同じ悩みを抱えている方に、いくらか役に立つ部分があるのではないかと思う。
出発点は「難しそう」をほどくこと
北海道GIMは、症例を通じて臨床推論を学ぶ有志の会である。ただ、医学生からみると「名前も中身もよくわからない」「医師向けの会ではないか」「学生が参加していいのか」そう感じさせている時点で、いくら門戸を開いていると言っても届かない感覚があった。
そこで前段企画の目的を、知識の伝達ではなく心理的ハードルを下げることに絞った。ゴールは「診断名を当てるより、考える過程を体験する」ことだと強調した。また、少人数のチーム制として、診断が浮かばない学生でも気まずくならない設計にしておくことを意識した。


少人数のチームと、生成AIの模擬患者
午前は臨床推論のワークショップとした。チームは2~3人であり、この人数設定には理由があった。4人を超えると必ず発言しない学生が出るが、2~3人であれば全員が何かを言わざるをえない。また、この人数であれば、チューターに慣れていない世話人であっても、戸惑いにくい。
