第13回 芍薬甘草湯(ホップ編)―芍薬甘草湯はこむら返りに頓服として処方する 
吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)

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芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう;ツムラNo.68)はこむら返り(有痛性の筋痙攣)に対して広く活用されており、即効性が期待できる漢方薬です。芍薬甘草湯は芍薬(しゃくやく)と甘草(かんぞう)の2つの生薬から構成され()、芍薬の主成分であるペオニフロリンによるカルシウムイオンの細胞内流入抑制と、甘草の主成分であるグリチルリチンによるカリウムイオンの細胞外流出促進の相互作用により筋弛緩作用を示します1)。さらに、芍薬甘草湯の鎮痛作用として、プロスタグランジン産生抑制作用2)や下行性痛覚抑制系を活性化することによる中枢性鎮痛作用3)が明らかになっています。こむら返りに対する芍薬甘草湯の有効率は基礎疾患により異なりますが、およそ70~90%と報告されています4, 5, 6)。 

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