吉永 亮（飯塚病院東洋医学センター漢方診療科）
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まずは大建中湯の正しい適応を知る必要があります。大建中湯はお腹を温めて消化管機能を改善させる漢方薬です。触診での臍周囲の他覚的な冷感や，問診での「冷たい飲食物でお腹の調子が悪くなる」「お腹が冷える」「お腹を温めると調子がよい」などのお腹の冷えの徴候が投与目標です。お腹の冷えの徴候がなくなったら減量・中止の目安になります。
大建中湯（だいけんちゅうとう）は，乾姜（かんきょう：生姜を蒸して乾燥させたもの），山椒（さんしょう），人参（にんじん），膠飴（こうい：イネ科のうるち米，小麦の種子などに麦芽を加えて糖化させた飴）の4つの生薬から構成されます。