【エントリーNo.3】水谷 肇|エビデンスで患者さんを泣かせた最悪の初診に学んだ、「病気を診ずして病人を診よ」の真意

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エントリーNo.3水谷 肇(大阪医科薬科大学病院 総合診療科、総合診療専門研修プログラム指導医)


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「その薬、依存性があるからやめましょう」

若かりし(というほど若くはなかったが…)僕は、「エビデンス」という正義を武器に、初診の患者さんに切り込んだ。

再受験して医者になった僕は、学生の頃からまじめに勉強してきたつもりだった。いろいろなレクチャーを受け、ベンゾジアゼピン系薬剤のリスクについてもよく知っていた。だから、毎日エチゾラムを飲んでいるという問診票に、「エチゾラムをやめさせなければ!」という“正義感”が湧いてしまったのだ。

長年エチゾラムを服用してきたその方に、ベンゾジアゼピン系薬剤のリスクを誠実に理路整然と説明したつもりだった。しかし、返ってきたのは納得の言葉ではなく、どんどん暗くなる表情だった。そして、患者さんは一筋の涙を流し、こうおっしゃった。

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