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【エントリーNo.5】石丸裕康(関西医科大学 総合診療医学講座 教授、総合診療専門研修プログラム責任者)
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「大学病院ではまともな医師になれん!」
そんな恩師の言葉を真に受け、天理よろづ相談所病院の門を叩いた僕を待っていたのは、厳しくも怒涛の日々だった。そして、少し仕事に慣れた頃、“大しくじり”は起きた。
初期研修1年目、まだ2人目くらいに担当した患者さんだった。術後だったが落ち着いてきていたので、終業後に僕は飲みに出かけた。当時はスマホはおろか、携帯電話もない時代。まあ、ちょっとくらい出かけても大丈夫だろう。患者さんも落ち着いていそうだし…。
気分よく宿舎に戻ると、院内用のポケベルに無数の呼び出しが残っている! 青ざめて病棟に走ると、呼吸困難をきたした患者さんを取り囲んで診察している先輩たちの姿があった。
「石丸、これはピーイーや!」。そう教えてはもらったものの、不勉強で何のことかまったくわからない。とはいえ、「それどういう意味ですか?」と聞ける雰囲気でもない…。緊迫した空気のなか、僕は思わず「たしかにピーイーですね…」と知ったかぶりをしてしまったのだった。
先輩たちとの会話をヒントに、必死で正体を導き出した。患者さんは「肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)」だった。
情けなくて平謝りする僕に、普段は厳しい先輩がこう言ってくれた。
「頭を下げる必要はない。謝る暇があったら、患者さんに今何ができるかを考えようや!」
この言葉に救われ、僕は五感と知識をフル活用して目の前の患者さんのために考え抜く、泥臭い医療の原則に目覚めた。
研修1年目が終わる頃、ある退職する看護師さんが送別会で、ポツンと「先生はきっとよい医師になりますよ」と言ってくれた。失敗ばかりの自分の何を見てそう思ってくれたのかわからなかったが、なんとなく嬉しかった。
初期研修の期間は、悔しかったり嬉しかったり、喜怒哀楽の激しい毎日だった。医師ならそうした感情は抑えるべきだ、と思っている人もいるかもしれない。でも、喜怒哀楽を激しく動かされながら患者さんに全力で向き合う、感情を揺さぶられる経験こそ、自身を「プロフェッショナル」へと育てる機会なのではないかと思う。あの「ホーム」での経験こそが、今の僕の多くを形づくったのではないかと思う。
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【プログラム紹介】
関西医科大学 総合診療科専門研修プログラム
診療所から大病院まで、どのような環境であっても総合的に診療できる医師を育成しています。
➊市中病院✕大学病院✕診療所✕離島医療:地域密着型病院での内科研修を基盤に、大学病院での最先端医療(小児・救急・心療内科を含む)を経験でき、また弓削メディカルクリニックでの家庭医療研修、他では経験できない離島研修を組み入れています。
➋からだ✕こころ:「心療内科学講座」との密接な連携により、心身両面に配慮できる医療者の養成を目指しています。
➌ダブルボードも可能:専門研修後は、内科専門医取得(ダブルボード)や、家庭医、病院総合診療医、心療内科医など、希望に沿った進路を相談していきます。
詳細:https://www7.kmu.ac.jp/general/program/