【エントリーNo.6】山本浩一|臓器は治せても、人は治せていなかった―若きレジデントの挫折

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エントリーNo.6山本浩一(大阪大学大学院医学研究科 老年・総合内科学 教授、大阪大学医学部附属病院 総合診療専門研修プログラム責任者)

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卒後4年目、大阪の循環器専門病院でのレジデント生活を送っていた私は、豊富な心疾患の症例をこなすうち、「心臓の急性期治療なら任せろ」という気分になっていました。

ある夜、心原性ショックの80代女性が搬送されてきました。緊急CAG(冠動脈造影検査)で多枝病変の不安定狭心症と判明。即在にIABP(大動脈内バルーンパンピング)を挿入し、緊急PCI(経皮的冠動脈インターベンション)を施行。無事に救命し、数日後に一般病棟に転棟させることができました。

「よし、完璧だ」

私は(おそらくドヤ顔で)ベッドサイドに向かい、「リハビリして、退院に向けて頑張っていきましょうね」と声をかけました。

しかし、患者さんから返ってきたのは、

「先生、こんなにしんどいなら、助からないほうがよかった」

という言葉でした。

一瞬、頭が真っ白になりました。「完璧な治療をしたはずなのに、なんでやねん!?」と。
あとから振り返れば、心臓の機能は確かに回復したものの、患者さん自身のフレイルは進行し、ADLは著しく低下、抑うつ状態になっていたのです。

その時の私は、心臓という「木」ばかりを見て、患者さんという「森」が見えていませんでした。
「臓器を治すこと」と「人を治すこと」は違う
それを痛感させられた、今の私の基盤となる忘れられない“しくじり”です。

投票期限:2026年9月25日

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【プログラム紹介】
大阪大学 老年・総合内科学

全国でも数少ない「総合診療学」と「老年医学」が融合した臨床教室です。山本浩一教授のもと、老年医学+総合診療学+サブスペシャリティを活かした「老年・総合内科医」を育成しています。
専門研修プログラムは、
内科専門研修プログラム:老年・総合内科コース
総合診療専門研修プログラム
の双方を受け入れています。
見学をご希望の方は、ぜひこちらをご参照ください。

教室詳細:https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/geriat/www/index.html
問合せ:rounen-admin@geriat.med.osaka-u.ac.jp

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