第1回 イチロー型医師養成のすすめ 
徳田 安春(臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄)

本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。 さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)

徳田 安春(執筆時:筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科) 
初出日:2012/01/06

 

医師不足の解消は医師数の増加だけでは解決できない。なぜなら,現在は臓器別分化が進み過ぎているからである。地域ですべての診療科をカバーする医療を展開するためには,すべての臓器別診療科の医師をすべての地域で取りそろえることが必要となるが,多くの中小病院では無理な話である。

 

大病院でも,昼間の診療ではすべての臓器別診療科で診療することができても,夜間ではどうだろうか。地域の多くの病院が1〜2人の医師当直体制で行われており,当直医の専門分野のみの患者受け入れが可能というところが多い。自病院の「かかりつけ患者」が夜間急病で受診希望しても,当直医師の「専門外」という理由で受け入れ困難ということがまかり通っている事態となっている。

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