第14回 疾患をキーワードでなくストーリーとして捉える 
大曲 貴夫(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)

本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです

大曲 貴夫(執筆時:国立国際医療研究センター国際疾病センター/感染症内科) 
初出日:2012/02/03

 

最近医学生や研修医の指導をしていて気になっていることがある。
症例提示で病歴を聞いていても,患者の病歴が物語として聞こえてこず,キーワードの羅列としてしか聞こえないときがある。患者の人となりも伝わってこない。診断や経過観察で困難を感じている研修医がこのようなプレゼンテーションをすることが多い。このようなプレゼンテーションの共通点は,患者が病んでいく過程が物語として伝わりにくいということである。このような話を聞く場合,聞く側も状況を理解するのに困難を感じてしまう。

 

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