本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
比留間 潔(執筆時:比留間医院)
初出日:2012/02/24
私は,医師になってちょうど30年になろうとしている。研修医生活の後,大学病院の血液内科に進み,主に白血病治療,造血幹細胞移植療法,輸血療法を専門に診療と研究を行ってきた。ちょうど,わが国にも近代骨髄移植療法が導入されようとしていた時期で,血液内科華やかなりし頃であった(今でもそうだと思いたい)。しかし,内科であるからにはどの専門分野にいようとも,常にDr. G(generalist)であるべきであり,専門の疾患のみに興味を傾注せず,常に「病を診ずして人を診る」ようにしたいと思ってきた。