本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
大西 真(執筆時:東京大学医学部附属病院病院長補佐)
初出日:2012/05/25
私は,卒業後,大学病院を中心に内科の研修を行いましたが,内科全般の研修のほかに,救急医療や熱帯病,病理解剖などといった分野の研修も受けました。現在の専門は消化器ですが,内科の専門分化と統合という課題を常に意識し,そのバランスをいかに取るかに苦労して参りました。今は,病院全体のさまざまなマネジメントにかかわるようになりましたが,総合内科的な病棟を受け持ち,毎朝,研修医の皆さんや若い医師の方々と議論して回診をすることを日課としています。日々現場に接し,若い医師や他職種のスタッフの方々と交わらないと,病院全体のことが見えず,適確なマネジメントもできないからです。