本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
和座 一弘(執筆時:わざクリニック)
初出日:2012/06/08
皆さんは,「生まれも育ちも葛飾柴又。帝釈天で産湯をつかり…」の口上で知られる山田洋次監督の寅さんシリーズをご存知でしょうか? 私は学生時代には,この寅さんが好きで,よく映画館へ行ったものです。この映画の冒頭で出てくる江戸川の土手の向こう側に私の開業している松戸という街があります。学生の頃,そこで開業して,一生住むことになるとは思ってもいませんでした。人生の縁とはわからないものです。
今回,編集部の方から「内科医の道」という身分不相応の大きなお題をいただきました。私のような市井の町医者にできることは,毎日多くの患者さんと接するなかで,思いついたことを書きつけることぐらいです。だから,気楽に読んでいただければ幸いです。