本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
森川 秋月(執筆時:旭川赤十字病院糖尿病・内分泌内科)
初出日:2012/07/13
内科医の,特に私のように糖尿病,生活習慣病を専門とする内科医の主な仕事場は,決して広くはない外来の診察室です。そこで一人の患者さんと一回に数分~長くても十数分の時間をともにします。自分の知識と技術のすべてを集中する,きわめて緊張度の高い時間です。
疾患の鑑別に必要な問診の方法,検査の組み立て,治療の選択については,とにかく勉強して実力を蓄えるしかありません。診断や治療のガイドラインを覚えるだけではなく,自分の専門領域については常に最新の論文もチェックし,知識を更新し続けなければなりません。