第38回 患者さんとエビデンスの狭間で~循環器内科で身につけられること~
香坂 俊(慶應義塾大学病院循環器内科)

本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです

香坂 俊(執筆時:慶應義塾大学病院循環器内科) 
初出日:2012/07/27

 

私は循環器内科を専門にする人間ですが,この分野はここ数年間でめざましく発展を遂げました。半世紀前までは,

 

「心電図を見てから外科に依頼するだけ」

 

などと揶揄されていましたが,今やカテーテルを駆使して治療にあたり,放射線アイソトープや数メガヘルツの超音波を通じて心機能評価を行い,投与できる薬は抗血小板薬から抗不整脈薬まで星の数ほど存在します。

 

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