第40回 「General」を目指す「generalist」
今井 裕一(多治見市民病院院長)

本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです

今井 裕一(執筆時:愛知医科大学腎臓・リウマチ膠原病内科) 
初出日:2012/08/31

 

私は,今から35年ほど前に秋田大学医学部を卒業した。秋田大学医学部は,第二次世界大戦後に初めて設立された医学部であり,その後の1県1医科大学の端緒となった。当時の医学部長が55歳前後,教授陣のほとんどが40代半ばで,今考えれば,新しい医学教育の実験場であり,われわれ学生はモルモットであった。ちょうど内科学も専門分野に細分化し,専門医でなければ医師でないような風潮が出始めていた頃であったが,その流れに逆行するように,地域医療を充実させる目的で設立され,「なんでも診られる医者:generalist」を育成することを理念としていた。

 

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