第49回 患者さんと話すこと 
宮﨑 泰司(長崎大学原爆後障害医療研究所血液内科学)

本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです

宮﨑 泰司(執筆時:長崎大学病院血液内科) 
初出日:2012/11/02

 

日頃感じていることを記して,原稿をお引き受けした責務を果たそうと思います。

 

内科診察はほとんどの場合,患者さんやご家族と話すことから始まりますが,問診の際,病気についての話し方は患者さんで千差万別。例えば,同じように「頭が痛い」と言われてもその程度を測ることは容易ではありません。単なる風邪の頭痛なのか,はたまた頭蓋内に腫瘍や出血が潜んでいるのか,「頭が痛い」という言葉のみでは全く区別がつきません。そこで患者さんの語調,表情,仕草など,言葉以外の情報を含めて総合的に判断しつつ,問診,診察を進めることになります。皆さんも毎日そうやって診療しておられることでしょう。その際に,簡単に情報をとれるわかりやすい患者さん,ちょっと苦手だなあと思う患者さん,いろいろあると思います。

 

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