本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
田中 まゆみ(執筆時:北野病院総合内科)
初出日:2013/03/01
総合医,総合診療医,と世間ではもてはやすが,厚生労働省やその意向に沿った一部ジャーナリズム以外の医療界では,ジェネラリストへの風当たりは依然として厳しいのは周知の通りである。
それも道理,今まで,そんな存在なしで専門家が集まってうまくやってきたのだから。
そうして,あちこちの総合内科が自然消滅してしまった噂が流れてくるのだから。
総合医はおいそれと専門家になれないけれど,総合医がやっているようなことは専門医はすぐにできちゃうらしいのである。だから,最初の1年間ぐらいは物珍しく総合診療とやらを見せてもらったけど,それぐらいならウチでもできますから,ええ,もうわかったので,やり方は。ありがとう,さようなら。