本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
安田 隆(執筆時:聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科)
初出日:2013/04/05
内科医として自らが歩んできた道を振り返ることが,少しでも若い医師の方々に役立つならと思い,筆をとることとした。歩んだ道でのキーワードは「新しい技術は積極的に取り入れること」,そして「目の前の患者の望む“いきかた”をサポートできること」であった。
経験的医療からEBMの実践へ
医学部を卒業し,内科全般の診療のできる医師を目指し,総合的な内科診療を行っている第一内科学講座に入局した。当初は,例えば治療に関しては,参考にした本が『180専門家による 私の処方』1)などであることからわかるように,経験から生み出された診療が主であった。検査選択や治療方法を含め,診療はすべて先輩医師のやり方を模倣することから始まった。加えて,適確な病歴聴取と身体診察の腕をみがくとともに,多くの文献を読みあさった。