本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
田中 良哉(執筆時:産業医科大学医学部第1内科学)
初出日:2013/05/17
「大学院を作るから,診療をしながら研究もしなさい。内科が専門ですと言える医者になりなさい。全身を診ることができて,一つだけ人より秀でたものがあればよい。それを免疫にしなさい。ただし,出世しないかもしれないけど」
当時の産業医科大学第1内科の鈴木秀郎教授のこの一言が,私の人生の転機になりました。前任の東京大学第一内科でも「臨床の神様」といわれていた鈴木先生はとても魅力的でした。内科全般を診療するという東大でのスタイルを産業医大にそのまま持ち込み,免疫,内分泌代謝,血液,消化器,腎の医師が揃っていました。憧れの先生の一言に何の疑問も抱かず,素直に「わかりました」と即答してしまいました。